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2008年11月22日 (土)

マイルチャンピオンシップ2008サイン攻略11

マイルチャンピオンシップ ジョッキーマスターズのサイン読み1

中野栄治の物語(前編)

第2回ジョッキーマスターズ
ここからサインが発信されているのではないかと私は考えています。
そしてそのキーワードは『下克上』あるいは『リベンジ』

アルゼンチン共和国杯
1枠1番の応援者・横山典弘。
彼が騎乗するはずだった、収得賞金ブービー馬スクリーンヒーローの優勝
詳細はこちら→エリザベス女王杯2008サイン攻略13

エリザベス女王杯
2枠2番の応援者・横山賀一。
彼の化身 = ルメールによる、横山典弘・カワカミプリンセスの撃破
詳細はこちら→エリザベス女王杯2008サイン攻略15

今回の主役は、ジョッキーマスターズ3枠3番の応援者・中野栄治調教師(元騎手)です。

ここから先は長くなります。
中野栄治という人物に興味のない方は『攻略12』へ進んでください。

中野栄治
日本ダービー優勝騎手

騎手ならば誰しも勝つことを夢見る日本ダービー。
1990年、中野栄治は愛馬アイネスフウジンでその栄冠を掴みとりました。
限界を超えた驚異的なレコードで逃げ切った愛馬をいたわるように、ゆっくりと時間をかけてからスタンド前に戻ってきた中野栄治。
そのとき、スタンドで誰かが「ナ・カ・ノ・!」と叫んだのが始まりでした。
ひとりの声はあっという間にスタンド中に連鎖を引き起こし、全員が声を合わせて中野栄治を讃えはじめたのです。

「ナ・カ・ノ・!ナ・カ・ノ・!ナ・カ・ノ・!」

日本競馬史上初めての『騎手コール』、今では伝説となった『ナカノ・コール』が自然発生的に生まれた瞬間でした。

『さぞや人気のある騎手だったのだろう』
彼を知らない競馬ファンはそう思うことでしょう。
しかし彼は人気騎手どころか、一流騎手ですらなかったのです。

ダービーを勝つわずか1年前の1989年、夏。
中野栄治は悩んでいました。

「騎手を辞めるべきか・・・」

36歳。騎手歴19年目。
もはや中堅ではなくベテランといってよい年です。
しかしこのとき、彼には騎乗依頼がありませんでした。
もともと太りやすい体質であった上に、自らの不摂生もたたり、体重は60キロを超えることも・・・レース当日になっても体重を落としきれず、結局は乗り替わり。
当時の中野栄治はそんな騎手でした。
これでは騎乗依頼が激減するのは当然。
彼を信頼し騎乗依頼してくれていた調教師たちも、徐々に彼から遠ざかってゆきました。

騎手失格。

それが中野に対して下された関係者からの判決でした。
夏のローカル競馬開催にもかかわらず、乗り鞍のない中野はトレセンで物思いに耽っていました。
騎手仲間はみんな地方遠征している。
しかし自分には騎乗すべき馬がいない。
そんな中野に声をかけてきた人物がひとり。

「ダービー馬に乗りたいか?」

美浦の加藤修甫調教師です。
加藤調教師のところにダービー馬がいたわけではありません。
それは1頭の黒鹿毛馬のことでした。
アイネスフウジン。
牡3歳(現表記2歳)。
スピード、スタミナ、馬格、どれをとってもクラシック級。
まだ全体に弱いところを残してはいましたが、素質は1級品。
その馬を指して「未来のダービー馬」と言ったのです。
未来のダービー馬を中野に任せる言ってくれたのです。

くすぶっていた中野栄治ですが、騎手としての才能自体は凡庸ではありませんでした。
特に騎乗フォームの美しさには定評がありました。
馬上にピタッとおさまり、一切の無駄のない華麗な姿は、JRAのコマーシャルにも使われたほどでした。
藤沢和雄調教師が「岡部幸雄とおなじくらい勝てても不思議ではなかった」と評したという話も漏れ聞こえてきたほどです。
その技術を買い、立ち直るきっかけを与えようとしたのが加藤修甫調教師だったのです。

中野栄治はアイネスフウジンとともに走りだしました。
加藤調教師の期待を裏切らないため、そして騎手として甦るため、中野は生まれ変わったのです。

9月、アイネスフウジンは中野栄治を背に、中山の芝1600M戦でデビューしました。
結果は2着。
そして中1週の折り返し新馬戦で2着。
(注:当時は同じ開催内であれば何度でも新馬戦を使えました)
この結果を陣営はまったく悲観していませんでした。
アイネスは500キロを超える大型馬。
そのうえまだこの頃は腰が甘かったため、レースを使いながら徐々に仕上げるというのが加藤調教師の考えだったからです。
3戦目の未勝利戦で待望の初勝利を挙げた後、休養をはさんだ次のレースに、陣営は朝日杯3歳S・G1(現朝日杯FS)を選択。
加藤師は「(現段階では)力試しの1戦」と位置づけていました。

朝日杯は稀にみるハイラップを刻むレースになりました。

12.1-10.7-10.9-11.4-11.8

5ハロン通過タイム56秒9!
アイネスフウジンは、3歳馬のものとは思えないペースの2番手を苦もなく追走し、早めに先頭に並びかけるという積極的なレース運び。
逃げ馬を競りつぶし、2馬身半の着差をつけ先頭ゴールイン。
掲示板には『1分34秒4・レコード』の文字が灯っていました。

中野栄治にとって、騎手人生初のG1勝利でした。
それまで彼は7度G1に騎乗したことがありましたが、すべて2桁着順に終わっていました。
もっとも1桁人気での騎乗は1度だけ(16.2倍の8番人気)という状況ではありましたが、それは裏を返せば『人気馬を任せられる騎手とみられていなかった』ということでもあるのです。
しかしこの勝利によって、晴れてG1ジョッキーの仲間入り。

「これで堂々とクラシックを戦える」

年が明け1990年。
中野栄治とアイネスフウジンは、初戦の共同通信杯を逃げ切ると、弥生賞に照準を合わせました。
皐月賞と同じ中山2000M。
ここをステップにして皐月に王手をかける算段でした。
しかしアイネスは4着に敗れてしまいます。
当日は極悪の不良馬場。
中野はアイネスに馬場の少しでも良い外を走らせました。
もちろん逃げて、です。

「これは本番ではない。悪すぎる内を走らせて馬に悪いイメージを持たせたくない」

最後の直線、中野はアイネスを本気で追いませんでした。
勝ったのは横山典弘のメジロライアン。
後にダービーでアイネスと死闘を繰り広げることになる馬です。

迎えた皐月賞当日。
アイネスフウジン&中野栄治は1番人気。
メジロライアン&横山典弘が2番人気と続き、3番人気には南井克巳を背にした関西の秘密兵器ハクタイセイが推されていました。

レース前、中野栄治は思っていました。

「負けるはずがない」

アイネスは徐々に完成されつつあり、ありあまるスピードと父シーホークから受け継いだスタミナを発揮できるようになったと彼は判断していたのです。

しかしゲートが開いた瞬間に不運が襲いました。
隣にいたホワイトストーンがよれて馬体がぶつかったのです。
スピードを活かしハイペースで逃げ、スタミナ勝負に持ち込んで他馬をつぶす。
これがレース前に中野が描いていた作戦でした。
しかし思わぬアクシデントで計画が狂ってしまいました。
まずアズマイーストが行き、それをフタバアサカゼが交わすというレース展開。
中野はアイネスを押し1コーナーでは2番手にとりつきましたが、前半のロスは想定外でした。
フタバアサカゼを交わして先頭に立つこともできましたが、中野は2番手のままレースを進めることを選択しました。

「逃げなくても勝てる。2番手で主導権を握ればいい」

しかし結果的にこれが裏目に出ます。
直線入り口で先頭に立ち、懸命にゴールを目指す中野。
しかし背後から追い上げてくる不気味な蹄音。
鬼の形相で追いまくる南井とハクタイセイです。
一歩、また一歩と中野を追い詰める南井。
最後はクビ差交わされてのゴールとなりました。

「負けた・・・」

中野のショックは計り知れません。
しかもそれに追い討ちをかけるファンの声。

「実績のある騎手に乗り替えるべき」
「中野ではダービーを勝てない」

しかし、加藤修甫調教師はマスコミに向けて明言しました。

「ダービーも中野栄治で行く」

この男気に感じ入った中野栄治は、ダービーに騎手人生のすべてを賭けることを決意したのです。

そして第57回日本ダービー。
1番人気はメジロライアン&横山典弘。
2番人気はハクタイセイ&若き天才・武豊。
ハクタイセイを皐月賞馬へと導いた南井克巳は人気薄ロングアーチの馬上にいました。
レース前、南井が中野に何事か声をかけたそうです。

G1ファンファーレが鳴り響き、全22頭がゲートイン。
そして、運命のゲートが開きました。
スタートはいまひとつ。
しかし中野は猛然と先頭を奪いに行きました。

「絶対にハナは譲らない」

今度こそアイネスのスピードとスタミナを活かす。
中野はそう思っていました。

12.8-10.9-12.0-12.0-12.1

前半の5ハロンを59.8で通過。
年々進化するサラブレッドの世界ですから、今でこそ驚くようなペースではありませんが、当時のダービーとしてはかなりのハイペースでした。

いかにハイペースで逃げる作戦とはいえ、これはダービーです。
4ハロン目、5ハロン目で少しはペースを落とさないと最後まで持ちません。
しかし中野は12秒をきっちりと刻み続けたのです。

6ハロン目、7ハロン目、中野は少しだけペースを落とします。

12.4-12.6

動いたのは3番手につけていた武豊ハクタイセイ。
普通ならばアイネスは12秒中・後半を守る場面。
後続が動いたからといって、ここでまたペースを上げようものならゴールまで持たないからです。
しかし中野はペースアップを開始。

12.1-11.8

残り3ハロン。
当然のことながらハイペースに翻弄された先行勢の脚色は鈍い。

11.8

残り2ハロン。
武豊ハクタイセイが食らいつく。
中野アイネスは止まらない。

12.1

残り1ハロン。
ハクタイセイは力尽きる。
しかしさすがのアイネスも脚が上がってくる。
ムチを揮い、全身で追う中野。
後方で脚を温存していた馬たちが怒濤の追い込みをみせる。
その中で際立つ脚を見せたのが横山典弘メジロライアン。

12.7

最後の1ハロンは12.7かかった。
ゴール寸前、アイネスの脚は完全に上がっていた。
追い込むライアンの脚は鋭い。
渾身の力をこめて逃げ込みをはかる中野。
追う横山。
逃げる中野。

そしてゴール!

アイネスフウジンが先頭でゴールを駆け抜けた。

「勝った!アイネスが勝った!俺がダービーを勝ったんだ!」

1年前、ダービージョッキーになるなどとは夢にも思わなかった。
騎手を廃業する寸前まで追い込まれた自分がダービーを勝った。

アイネスフウジンを向こう正面で止めた中野は、限界まで走り動けなくなった愛馬の回復をじっと待ちながら、過去を思い、今をかみしめていました。

祝福の『ナカノ・コール』に包まれ、中野栄治は確かにジョッキーの頂点を極めたのです。

中野栄治の物語はこれで幕を閉じます。
騎手の底辺まで落ちた男が、わずか1年後にホースマンの憧れである日本ダービーを勝つ。
まさに下克上の物語といえるでしょう。

これに基づく具体的な解読は次回『サイン攻略12』で公開します。

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コメント

今回は【携帯閲覧用記事】はありません。
携帯の方も本記事をお読みください。
(表や写真はないので、ページ数はそれほど多くありません)
http://jra-sign.air-nifty.com/blog/2008/11/post-8985.html

投稿: ドラゴン | 2008年11月22日 (土) 20時41分

前年ダービーでドクタースパート、マイネルブレーブに20万つっこんでオケラになり、リベンジのダービーでした。
すでにそんなに賭けるお金も無かったんですが、メジロライアン、アイネスフウジン1点5万。7倍ちょっとついたので無事リベンジできました。僕のシミュレーションではライアンが差し切って勝つ予定でしたが、アイネスが残りましたね。
今でも思い出深いレースです。

さておき、ヒシアケボノ死亡のニュースもあり、7枠に因縁を感じます。
「歴史を変える」勝者は、8枠の馬やGⅠ馬では無い気がします。
外国馬か、初芝の、なんで出てきたのアドマイヤスバルあたりが歴史を変えることしてくれたらいいなぁ。

投稿: ルドルフ3世 | 2008年11月22日 (土) 22時29分

ドラゴンさん、皆さんこんばんは。ぜんまいざむらいです。

マイルCSの結論

◎13サイレントプライド
○17スーパーホーネット
▲9マルカシェンク
注6ショウナンアルバ


以上!

投稿: ぜんまいざむらい | 2008年11月22日 (土) 22時58分

ドラゴン様、皆様
今晩は!

現在
【サイレントプライド】に気持ちが傾きつつある状況ですが…

【サイレントプライド】からなら、相手として抑えたい馬

【リザーブカード】
【ローレルゲレイロ】
【ラーイズアトーニー】

明日は【勤労感謝の日】

13番【後藤】(ご)(と)う
11番【柴山】(し)ばやま
1番 【四位】(し)い

10番【ブラック(くろ)】調教師
つまり
(し)(ご)(と)(ご)(くろ)

やや苦しい〜こじつけです

【落馬】で地に落ちた
【武豊】が復活するには
ぴったりな【フェニックス馬名】

新旧で並んだ
【高松宮記念馬】

う〜ん
気になります

投稿: 犬飼小次郎 | 2008年11月22日 (土) 23時14分

攻略7(CLUB KEIBA RULE47←→4リンク)の宿題の解答が、こちら攻略11にあるとの予告で楽しみに拝読しました。

超°級の初心者なので、結局何も理解できなかったのですが、

クリフジ
マイルCS
ハイセイコー

の関係の解読が、アイネスフウジン と言う事で、アイネスフウジンから連想される馬か?中野栄司調教師から連想される馬か?

これを出馬表の18頭から探せば良いのでしょうか?

超°級の初心者としては、CLUB KEIBA RULE4の時のレースが何だったのか?とか、その時の解読の正解が何だったのか?が凄く好奇心を誘う、というか、分からないと気持ちが悪くて眠れそうにありません。

投稿: 超初心者 | 2008年11月23日 (日) 00時37分

超初心者さんへ
ドラゴンより

申し訳ありませんでしたo(_ _)oペコッ
『攻略11』の予定だったのですが、『攻略12』になりました。
予定外の【レープロ解読・コンゴウリキシオー】を急遽追加することになったので、ズレてしまいました。
12をお読みいただければご理解いただけると思います。

ただし、期待されているようなものはありません。

【ルール48→4から何かが生まれるわけではありません】
また【そのときの解読は、それ自体が存在しません】
(そのころはルールを解読していなかったため)

【アイネス&中野栄治がマイルCSのサインになる】ということを【JRAがルール4で予告していた】というこを言いたかっただけなのです。
アイネスが【解読の本流】で、その単なるサポートが【ルール4】。
そしてその場所を示すのが【ルール48にあるダジャレのクオリティ管理】ということです。

すみません。
ちょっと分かりづらいですよね?
ただ他に表現のしようがないもので・・・ご了承ください。

投稿: ドラゴン | 2008年11月23日 (日) 00時45分

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